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龍が如く7 が面白すぎて時間泥棒だから全力でプレイレポ投げました

龍が如く7


龍が如く7 光と闇の行方

買いました? 

え?買ってない!?!?

 

シリーズ追ってるあなたにも、シリーズ初めてなあなたにもおすすめしたい出来だったんですよ〜。

 

以前、You Tubeで制作陣が発売前配信を行っていて「過去作品含めて一番面白い」と仰っていましたが期待通りの素敵な作品だったことは大きな声で言いたい。

いや、本当に。

 

私も発売から2日後に購入しましたが、あれよあれよという間にやりこんで50時間ほど?プレイ。

過去作品は3と5以外は遊んでるが、私自身も過去最高傑作じゃないかと。

 

というわけで個人的に満足度高い本作を批評していきます!

 

変化球と見せかけた正統進化

龍が如く7は過去作から大幅な変更を受けてるというのは周知の事実。

大きな部分だけあげても、

  • 「過去6作品(正確には7+3作品)続いた主人公の降板」
  • 「アクションからRPGへ」

やはり会社の顔とも言えるソフトになると長期化したシリーズ特有のダレた雰囲気やマンネリ感は課題になってしまうのが自明の理だろう。

そうした対策としてしばしば大幅な路線変更は致し方のないテコ入れだろう…

《もちろん上手く行けば》

の話だろう。

今作も大きな衝撃とともに歴代ファンには大きな不安が走った。

 

その後リリースされた体験版を遊んだ印象も「流れを汲んだ別作品かぁ。」

くらいの感想しか抱けなかったが本作は遊べば遊ぶほど感心するほど歴代をブラッシュアップした作品であった。

 

一つずつ紐解いていこう。

徹底的なリアリティの追求

  • 主人公の交代

龍が如くといえば他作品でも顔を見せることもある桐生一馬が主人公であった。

言うなれば本作の顔そのものであった。

人物も非常に魅力的で

無骨な印象とは裏腹に暖かい(友達を庇って殺人犯として服役してしまう)

面倒見が良い(しばしば誘拐された知人を助けに敵地に単身乗り込む。友人ではなく知り合ったばかりのレベルでもヤクザ事務所まで助けに行く)

喧嘩が強い(単身で敵対組織を壊滅させる)

人情に厚い(筋が通らなければ所属していた組織も半壊させる

女性に優しい(薬を盛られて財布抜かれても叩かない)

子どもにも優しい(孤児院経営しちゃう)

好奇心旺盛(会社経営したり子どもの遊びに混ざったりする)

不死身(刺されても撃たれてもご飯食べれば回復する)

といった具合にハードボイルドが服着て歩いている、老若男女問わずかっこいいカテゴリに入れるだろう人物である。これでも魅力の100分の1程度だ。

ところが龍が如く7では

モサッとした眉毛

ツイストパーマのもじゃもじゃ

日本人らしい顔立ち

といったメインビジュアルのキャラクター

『春日一番』が主人公に据えられた。

この男、春日一番だがバックボーンなど設定は非常に桐生一馬と似ている。

人の罪を被り服役

生い立ちが捨て子

こうした類似点から当初はどこまで桐生一馬に近づけるかといった見方をしてしまう。実際に最初の一時間程度はプレイしていても過去作品で見たような雰囲気でマンネリを感じた。

だがすぐにこの見方が間違いであったことをわからされる。

この男、春日一番だが基本的な性格として人と接する際に臆さない。

本編中、意識不明でホームレスに助けられる場面から本格的にストーリーが動いていくのだが、助けられたホームレスに対して皆事情がるあから詮索禁止と釘を刺されるのだが、舌も乾かぬうちに「こんな暮らし脱却しようぜ!ハローワークで仕事さがそう!」といったニュアンスの発言をする。

悪く言えば無粋だが、良く言えば主体的。

桐生一馬との対比においてこの点が大きくことなる。

桐生は言うなれば巻き込まれ型。他者には大きく関与しようとはしないが目の前で事が起きれば仕方無しに巻き込まれいつしか中心になるカリスマ的な魅力がある。

一方の春日一番は何においても自分発信。人の心の扉をノックしまくる。数あるサブイベントも基本的には自ら話しかけることで展開していく。カリスマ0である。

 

龍が如くを語るうえで欠かせないのがリアリティである。

龍が如くは実在の街をゲームに落とし込んだことで話題を生んだ。

初代龍が如くではゲーム内の商業施設としてドン・キホーテが存在した。

本作品の評価にあたってはゲームといえどどこまで『ありそう』なシチュエーションをつくるかが命題と考えている。

 

話は戻って春日一番だが自主的に話を展開させる様子、これはゲームではない実生活、リアルでも同じではないだろうか。

自ら行動することで他人の心の扉を開いてもらう。

この基本コンセプトが創作物についてまわる、ご都合感、リアリティとの乖離をなくすために仕事をしている。

 

以前までの龍が如くではストーリーと違う位置づけのサブイベントでは

「この場所に行ったらどんなトラブルに巻き込まれるのだろう?」

といった気持ちでイベントをこなさければならなかった。

だが能動的に動けるキャラクターを新たに据えただけで以前の行動軸に加えて

「トラブルに対してどんなアプローチを起こすんだろう?」

といった体験が加わった。

 

また、自らが能動的に動くことによってゲームに不可欠な『お使い』としてのイベントも嫌味がない。付き合わされている気持ちにならない。

 

これは桐生一馬では絶対にあり得なかった。

(作品によって毛色は違うが)桐生一馬はかっこよさとストーリーの重厚さで巧妙に覆っているが俗に言うヤレヤレ系である。

 

また、このアプローチは同行する仲間にも及ぶ。

上述したように春日一番は仲間にも熱く接する。

春日一番に対して様々な思惑から接してくるキャラクター達、だがそれに対しても自ら相手の背景を聞く。徹底的に聞く。無粋と言われようとも。実際に何度も何度も無粋と言われるし、「言わなくていいのに」とまで言われることもある。

 

『人と人は絶対に腹の底まで推し量ることはできない。』

当たり前のことだろう。だが、対話をすればそんなことは解決できることを教えてくれる。大人が当たり前のようにしていることに対して、「それは少し違うのでは?」と、これでもかとベストアンサーを明確に突きつけてくる。

言ってしまえば春日一番はそれしかできない。

料理もできない。

航海もできない。

嘘もつけない。

まるで某ゴムの人である。

 

たったこれだけの要素で深い人間性を落とし込む龍が如くチームには脱帽だ。

 

また、仲間との絆が深まるにつれて様々な面が見える。

相手へ質問を行うからこそ相手の素性が見える。覗き見ているのではなく、共有認識を持って相対することができる。

マフィアのボスが料理が上手なこと、教習所で勤務している警察官が道路交通法に詳しくないこと、キャバ嬢が妹と上手くいっていないこと。

全てが聞くことから、自分発信で始まるため、キャラクターとのギャップが埋まる。

RPGといえば『なりきる』か『誰かの人生の追体験』になることは有名どころの作品を見ても明らかだ。

だが、龍が如くは全てを諦めずに拾う。

現代ゲームをオマージュしながらもそのどれとも違う路線を走る。非常に明快で気持ちの良いゲーム体験を与えてくれる。

 

  • 過去作からのブラッシュアップ

今作はRPGとして仲間と共に行動することが常となった。

そのため過去作で存在していたミニゲーム等が一部見直しとなった。

大きく変化したものとしてはキャバクラの存在が筆頭だ。

以前はキャバクラで桐生が女の子を口説くことをミニゲームとして取り入れていた。(上手に口説くとアフターでホテルに突入しセクシー女優のPVが流れる)

しかし今作はキャバクラにもグループで行くため遊びとしての部分はなりを潜めた。だが単純に削除するのではなく、グループで訪れ飲食をする場として変貌を遂げた。遊びの部分ではボリューム削減だが、男がグループでキャバクラに訪れるデモなどは思わず笑ってしまう。

また、店頭での飲食は今作も顕在している。以前までは桐生が一人で各地の飲食店にて舌鼓をうちコメントを一言入れる淡白なものであったが、今作では特定の料理を注文するとイベントが発生する仕様になっている。以前までは飲食をすることがゲーム内での目的達成のための手段としての側面が強かったため体力回復だけに目的を絞った場合にはコンビニ飯を食らい続ける桐生さんが出来上がっていた。

今作ではイベントを見るためにという名目もできるため、一つの場所で遊びの幅が広がった。

削除ではなく既存のものを昇華させるつくり、こちらも妙技だ。

また、今作は取得できるお金が以前よりもかなり少なく調整されている。以前まではカツアゲに来る不良をなぎ倒すとすぐに10万円ほど貯まってしまっていたが、今作では意図的に金策をしなければ貯金することが難しい。そのため、コンビニで安価なものを用意したり、強敵との戦いの前には高価なアイテムを購入する必要があったりと買い物一つとっても以前のように栄養ドリンクだけを買い込むだけにとどまらなくなった。

 

他にも過去作品で定番であった要素は大きく変化が加えられているがいずれも全てが過去作品をないがしろにすることがなく真新しさを取り入れている。

 

個人的には街中で現れるパーティチャット(テイルズシリーズでいうところのスキットのようなもの)も探索の楽しみにつながっている。

こちらは恐らく過去作品で存在した会話イベントが好評だったことからテンポの良い会話を行うための配慮と思われる。

以前まではサブイベントとして行われていた流れの早い掛け合いが存在したが、サブイベントであるため一見で終わってしまい、見返すのが難しく貴重なものであった。今作では特定の場所で会話のリピートも可能なため何度も聞き返せる。また会話の数も各所で頻繁にあるためとにかく明るく探索を行える。

ゲームにおいて没頭といえば『何かないかな』となってしまうことがしばしばだが、明るい気持ちで『ここでは何がおきるかな』と次に向かって没頭できる作品は昨今でも稀有だろう。

 

  • RPGとしてのアプローチ

今作はRPGになったことで戦闘面も大幅に変化した。以前はアクションであり、派手なアクションから爽快感を得るものであった。もちろん過去作品と比較してしまえば需要に見合わないため低評価をつけざるを得ない方もいるだろう。

だがゲーム単体でみると非常に完成度が高い。

ベースとしてはオンタイムではないため、『喧嘩』というアクションに見合わないと思われていたが、各キャラクターがそれぞれ別個で動き回るため戦闘面で寂しさを感じない。敵が吹き飛ばされてダウンすれば自動で追撃を行うためリアリティの追及も行えている。多対一の状況になればパーティに敵NPCがタコ殴りにされる悲惨な様子も笑えてくる。

また、キャラクターそれぞれに振れ幅を持たせるため職業選択システムを導入しているあたりはRPGの定番を踏襲しているが職業選択の場がハローワークというのがまた龍が如くらしいリアリティ追及の形である。

戦闘面のバランスなどはコアなRPGプレイヤーからすれば物足りなさを覚える調整であるが、決して簡単すぎず、なおかつ好きな職業で楽しめるバランスが取れてるのは龍が如くの狙う層にはぴったりな難易度調整であるだろう。

従来通り必殺技も痛みを間近に感じられるものからおバカな技まで多種多様である。

皆さんもぜひ厳つい強敵たちがおバカな技の餌食になる様を見てほしい。

  • ダウン後に股間を踏みつけられる
  • 巨大な卸摺り鉦に押し付けられる
  • 臭い息を吹きかけられる
  • 魔法と称してアルコールを口から吹きかけ火をつける

さすがに笑いをこらえるほうが難しい(笑)

 

総評

大きな変化を見せた今作品であったが、いずれの部分においても過去作品から洗練された進化を遂げた作品である。またゲーム単体で見ても近代RPGとして非常に新しいコンセプトが散りばめられていて驚きの連続である。

新たに龍が如くに触れようか迷っている方やアクションが苦手でしり込みしていた方、ゲームに興味がない方や過去作品から常に追っかけていたがコンセプトから迷っている方など、全てのユーザーに対して新しい試みをぶつけながらも全てを包括するだけの器を持っている作品であった。

今作品を超えてくるRPGが今年出てくるのか非常に楽しみである。

迷っているならば是非とも買い一択であることは伝えておきたい。


龍が如く7 光と闇の行方