まいのりてぃりぽーと

おぬぬめを紹介します

『ネタバレしたら坊主な!!』プロモーションも含めて1つの作品だからまずは劇場に行こう〜THE FIRST SLAM DUNK〜

~THE FIRST SLAM DUNK~結果から言って、「観た方がいい。」の一言に尽きる作品だった。

原作に愛がある人も、原作に愛があるけど諦めていた人も、原作をそもそも知らない人も。映像作品としてこれ以上ないほど上質だったし、情報が取りやすいこのご時世だからこそプロモーションも限界まで絞っていただく工夫をしてもらえたからこそ楽しめた映画だった。

おそらく1か月も経たないうちにネタバレが蔓延するだろうからまだ見ていない人は情報を遮断して早々に見てほしい。

自分自身もまだいろんな感情がぐちゃぐちゃで整理がつかないから以下はネタバレありで感想を投げる。

 

※12月4日現在公開二日目、鑑賞後のネタバレありで書くので未鑑賞者は注意!!!

 

 

 

 

 

 

 

~ネタバレ注意!!!!~

 

 

 

 

 

 

  • なぜ情報統制を続けたのか?

 

 『『『負けたら坊主な!!!』』』

 

原作で聞いたことのないセリフで展開されるPV、一方で公開されない情報、声優の交代、公開日が近づくにつれて勝手に夢想していた期待が不安に変わっていった。

 

「そもそも原作のどこやるの?山王戦?」

 

同じ不安を持つ人はたくさんいるみたいで動画サイトのコメント欄やSNSにも不安が限界を超えて制作再度の粗を探して叩くことに必死になっている人もいた。

 

それもそうだろう。ここまで期待された作品で徹底した情報統制は昨今ではあまりない。調べれば欲しい情報が手に入るご時世なのに公式ホームページにはあらすじも書かれていない。それなのに出てくる情報は映画公式グッズや制作サイドの裏話のみ。おそらく相当な負荷が鑑賞側にはかけられていたと思う。それも能動的に情報を獲得しようとする思いの強い人ほど。

 

公開初日、なんだかんだ言いつつも劇場に足を運んだ。自分自身も「もうオリジナル展開でもSLAM DUNKが観れればいいかな」って思っていたし半ば投げやりになっていた。

 

観終わった感想、圧倒された。濃縮された幸福な時間だった。

 

冒頭、The Birthdayの楽曲と共に漫画のタッチのように描かれる湘北メンバーで一気に全身の血が沸騰する。わかってはいたけどこれほどとは。

同じく対戦相手のメンバーも描かれ始めた、なんだか見たことあるような坊主頭の輪郭。坊主なのに井上神の超絶キャラデザインセンス、圧倒的劇画によって顔の書き分けが完璧にされていて一瞥して誰かわかる。深津、河田、野辺、一ノ倉、澤北、王者山王工業の登場。

そう、僕らが楽しみにしていた山王戦だった。公開までに不安一色になっていた自分が徐々に期待に塗り替えられていく。

「THE FIRST SLAM DUNK」の文字がバスケットコートのセンターサークルに描かれて試合が始まった。引き込まれるまで一瞬だった。

冒頭5分を見た際に自分の中で膨らんだ疑問。ここまでを切り抜いても十分なPVになったとは思うけどそれでもなぜ徹底した情報統制をしたのか?その疑問は観賞を終えて整理をすることで制作サイドのSLAM DUNKをどう届けたいかという思いも同時に理解できた。

 

  • 批判されることは決まっていた

 

SLAM DUNKが約20~30年の時を超えて再度映像化。そもそも旧作のある作品を新たに制作するという試みだけでも十分に炎上の要素はあり、リスクが高すぎる。更に触れる作品が当時バスケットボールブームを世の中に作り出した世界でも有数の著名な漫画だ。これだけでも鑑賞者の思い出が乗っかることで批判される可能性が圧倒的に高かった。だからこそこれまでのファンにも楽しめる作品、初めて見る人に楽しんでもらえる作品と矛盾抱えながらの制作だっただろう。
こうした思いや気持ちは井上神が声優交代に触れている通り、今作をどう見てほしいかと制作サイドが考えを重ねていたのはバックヤード情報からも読み取れた。
だからこそ公開まで余分な先入観を持ってほしくなかっただろうし、それが情報統制にもつながっていただろう。
結果から言うとこの作戦は正解だったと思う。公開後にプロモーションの方法で批判をしていた人はあまり見られていない印象だった。

公開後に批判をしていた人は概ね
「○○が出てこなかった。」「名セリフがなかった。」
この二つが多数だったと思う。

多くの人は原作の地続き、アニメの地続きであってほしいと思いがあったと思う。それは決して間違いではないし誰にも否定はできない。ただ2時間半一本では描くことのできる描写にも限界はあるし描いても意味不明に終わると思うだろうというのが率直な感想だった。

 

  • 見せたかったものは何だったのか?

この映画の肝は3つ。

  1. 一つは、主人公が誰なのか?
  2. 一つは、鑑賞者はどの目線で見るべきだったのか?
  3. 一つは、2時間半一本勝負の映画であったでターゲットは新規と既存の両方 

主人公という点については、本筋でこれでもかと表現され、スタッフクレジットでも重ねて理解させられる通り『宮城リョータ』の映画だった。これが全てだと思う。
公開前の広告ポスターの立ち位置は身長の問題と思っていたが振り返ると納得できる作り。感嘆する。
作中の表現で「○○のセリフがない!」の問題も概ね解決できる。

桜木の映画ではないから春子さんに(バスケに)告白のシーンはない。

流川の映画ではないから澤北に「俺もアメリカに行くよ」と言わない。

 

鑑賞者はどの目線で見るべきだったのかという点については、我々はあくまで湘北対山王を鑑賞しに来た観客という視点が一番理解しやすい。原作を読みこんだ人、アニメを楽しんだ人、これらの視点は湘北のベンチメンバーの一人、もしくは湘北サイドの応援団という視点で作品を鑑賞していったではないだろうか。確かに湘北サイドに立ってみると「もっと桜木はシュート練習頑張ってたから、スポット当ててよ!」「赤木はこれまでずっと努力し続けてきたのに…!!」という気持ちになるだろう。しかし、今作はあくまで湘北対山王であり、我々は第三者として試合を観戦しに来たという見方の方が納得しやすい。
まず、作中での試合時間の経過の仕方、カット割りでボールが動く時間がほとんど削られていない。宮城の回想が合間に挟まれていたが試合の時間はほとんど経過していない。あくまで試合は試合なのだ。正確に時間を測ったわけではないが試合時間40分はほとんど描かれていたではないだろうか。澤北の「よーい、ドン」然り、桜木のリバウンドの速さ然り観客であるからこそ驚くべき才能という見え方に力を割いていた。逆にゴール下を宮城視点で見た際に細かく動いている両陣営に対して一人だけ棒立ちの桜木という構図もいい塩梅になっている。確かにバスケ始めて4か月の動きだった。話は逸れたが第三者であるからこそナレーションの声は聞こえないし、キャラクターの独白は聞こえない。逆に全国大会とはいえ高校生の大会なのでボールの弾む音は響くし、応援の声はよく通る。もしかしたらキャラクターが小さくつぶやいたセリフも観客席で少し聞こえているのかもしれないという思いに至れた。

流川の「そんなタマじゃねえだろ」は口に出していて、桜木の「左手は添えるだけ」は聞こえなかった理由として前者は登場人物同士の掛け合いであり、後者は自分へ言い聞かせている。という区別ができる。

 

2時間半一本勝負の映画であった点については、あくまでもターゲット層の問題であり、「○○が深堀されなかった」という意見もしばしば見た。しかし鑑賞者の層を鑑みた際におそらく40代の方がメイン、家族で来ることなども想定される。また口コミでヒットすればSLAM DUNKを知らない層も見に来る。
その時に魚住が急に出てきて大根のかつらむきを始めたらどうなるだろうか。劇場困惑、ネットミーム爆誕。クラスのでかいやつのあだ名は明日からビッグジュンになるだろう。
冗談は置いといて、知っている人は勝手に良いシーンだと感慨深くなって感動すると思うが知らない方が見たら、下手したら笑いが生じるかもしれない。そんな温度差が同じ作品を見ている劇場内に生じたら映画として、冷めるに決まっている。少なくとも自分は映画見ている際に隣で笑う人とか本当に無理だからきつい。実際に今作の桜木が終盤河田に「返せ」とリバウンド奪いに行くシーンで横にいた女性が笑っていたし、魚住の存在はそのものが劇場の空気を壊す核弾頭になりえる。魚住を例にとって話を進めたがあくまで魚住が嫌いなのではなく他のキャラの掘り下げでもこうした劇場での感情の分裂は生じると思う。流川にスポット当てて劇画の谷沢が出てきたらちょっと耐えられる自信がない。
受け手が同じものを見てそれぞれ違う感情を抱くのはヒューマンドラマや恋愛ものではいいかもしれないが、制作サイドが描きたかったのはスポーツなのだ。スポーツ鑑賞で求められるものは興奮による一体感。我々は観客だからこそ触れれば掘り下げが必要な描写やキャラクターについては触れてしまえば1作品だけでは描き切れず省かなければならなかっただろう。また、湘北の面々を見ても誰を主軸に据えるか考えた際に、宮城以外を選択すれば必ず他の試合も掘り下げなければならなかった。宮城のみ唯一ほとんど過去が描かれていない=誰しもが想像の余地があった。これが新規と既存に満足度高く楽しんでもらうための最善の一手だったと思う。

 

  • ありがとう制作陣

日々公開まで進むにつれて身勝手な我々鑑賞者のプレッシャーに耐えて途轍もなく良質な作品を送り出すだけでなく、PVも含めて この時勢においてここまで完璧な情報統制をすることで一切のリークすらなく、不安を期待値に変えた制作サイドには本当に驚きと感謝しか言い表せない。むやみやたらな誹謗中傷とストレスに負けてネットに書き込んだりしないでくれてありがとう制作陣。これからは胸を張って、SLAM DUNKの映画作ったって言い張ってほしい。 

鑑賞終了した人たちは情報がほとんどない状態で劇場で見ることが一つのコンテンツになっているからぜひともみんなでSLAM DUNK新規に布教していこ。

 

 

 

 

PSNOWって知ってる?

PSNOWって知ってる?

PSNOWそれはゲームのサブスクリプションサービス(料金を支払うことで一定期間サービス利用し放題になるもの)のひとつ。

ゲームのサブスクリプションサービスといえば最近マイクロソフトXbox)のXboxゲームパスがかなり評判良いらしいですが、実はPSもゲームのサブスクリプションサービス展開していたんですよね。

「月定額でゲームやり放題とか流行るっしょ」

そう思うでしょ?ただ、今一つ話題にならない。

むしろネット上にPSNOWの話している人がなかなか出会わない。

 

なぜなのか…

 

『やりたいゲームがない』

『どんなゲームラインナップがあるのかわからない』

 

 

たしかに初期のPSNOWは魅力に欠けるゲームが多かったと思うけれど実は今はかなりラインナップ熱いってことをみんな知らない。

ほんと値段以上の価値があるから知ってほしい。

 

というわけで2021年9月29日現在PSNOWで遊べる良作ゲームを挙げていきます。

 

 

PSNOWで遊べるPS4のソフトおすすめ

JUDGE EYES

お手軽感 ★★★★★
爽快感  ★★★★☆
やりこみ ★★★★☆

木村拓哉龍が如くさせてみました。」をやり遂げた意欲作。挑戦的な要素が強い中で龍が如くファンの期待にも応え、従来のファンも新規ファン獲得にも大きく貢献した作品。木村拓哉主演のドラマと言っても差し支えないくらいの重たいドラマ、色物だと思ったら大間違い。
9月に続編の『LOST JUDGMENT』が発売されたばかりなので先に前作を遊んでからという人にもぜひ。

 

 
MALICIOUS FALLEN

お手軽感 ★★★★★
爽快感  ★★★★☆
やりこみ ★★★☆☆

DL専売のみでPS3にて発売から隠れた名作として人気に火がつき続編が作られた作品。5つほどのステージを遊ぶだけのシンプルなつくり全ステージボス戦になっており、ステージ選択攻略順序も自由。ステージクリア時には主人公が強化されるが倒したボスによって違うためクリア順序なども含め単純作業ながら何度でも遊べるつくりになっている。
操作感についてはゴッドイーターシリーズなどに近い速度感あるアクションになっている。とりあえず加入後に遊んで損のない作品。

 

 
Slay the spire

お手軽感 ★★★★★
爽快感  ★★★☆☆
やりこみ ★★★★☆

カードゲーム。4つのコンセプトデッキから一つを選んで戦闘をこなしていくカードゲーム。戦闘を終えるごとにカードを3枚から選択して1枚獲得できるのでデッキ構成も毎回変化があり楽しめる。
ダンジョンも毎回ランダム構成なので同じ選択肢をとることができないため単純ながら遊びがいがある。

 

 

God Of War

お手軽感 ★★★★☆
爽快感  ★★★★★
やりこみ ★★★☆☆

ジェイソンステイサム、ドウェインジョンソンと並ぶ世界三大スキンヘッドに数えられるクレイトスの作品。人間サイズの筋肉質なスキンヘッドのおじさんが神話の神々に挑んでいくという単純明快ストーリー。ゲーム性が尋常じゃなく爽快。すべてにおいて暴力的な主人公、口より先にすぐ手が出るのはもちろん。殴る蹴るだけじゃ飽き足らず、頭をつかめば地面にめり込ませ、体を掴めば容赦なく引き裂き、武器があればとりあえず投げる。過去作品も網羅しているのでそちらから遊ぶのもよし。本作からでも遊べるが戦闘がソウルライクになっているので完全アクションがいいなら過去作品がおすすめ。

 

バイオショック

お手軽感 ★★☆☆☆
爽快感  ★★★☆☆
やりこみ ★★★★☆

一人称視点の探索型RPG。ホラーテイストでもあるが海底都市探索という世界観も独自のものなので細かいオブジェクトやストーリーを追うだけでも楽しい。

 

DOOM

お手軽感 ★★★★★
爽快感  ★★★★★
やりこみ ★★☆☆☆

FPSのパイオニア。シングルプレイヤーのFPSといったらDOOMFPSでしばしば発生する打ち合いを主軸に置くための膠着状態が発生しないようなつくりになっている。シューティングなのにとにかく走る撃つ走る撃つの繰り返し。何も考えず遊ぶのにもってこい。

 

Fallout4

お手軽感 ★★☆☆☆
爽快感  ★★★☆☆
やりこみ ★★★★★

ベセスダの誇る名作オープンワールドRPG北斗の拳核戦争が起きたあとの世界にてヒャッハーする無法者と戦ったり地域住民の依頼を受けたりしながら進んいくのが主軸だが恐るべきはボリューム。シナリオは共通だが分岐の量や攻略方法が異常なほど多い。RPGというジャンルのとおり、好きな役割を演じて進めていけば年単位で遊んでも遊び終えないくらいのボリュームがある。しかもDLCで更にボリュームが追加される。本作は街づくりもあるため遊びの幅も広すぎる。

 

ボーダーランズ

お手軽感 ★★★★★
爽快感  ★★★★☆
やりこみ ★★★★☆

FPSRPGとしてはこちらも名作。オンラインCOOPで協力プレイができるため気軽に遊びたい時などにコンを詰めずに遊べる。シビアな操作もないためFPSの入門にもあり。

 

シャンティ

お手軽感 ★★★★★
爽快感  ★★☆☆☆
やりこみ ★★☆☆☆

海外生まれのメトロイドヴァニア(探索型2Dアクション)
かわいらしい絵柄のキャラクターを操り進めていく。カートゥーン調なキャラクターとアラビアっぽいのに海賊が出てくる独特な世界観などポップでキャッチ―。キャッスルヴァニアほどシビアではなく、初見殺しがあっても即死などがないため即座にリトライ可能でストレスがないつくりも良心的。世界観にマッチしたBGMが非常に良いので一聴の価値あり。日本での流通が少ないのかなぜか中古価格がプレミアになっている。PSNOWで出会った中では個人的に一番面白かった作品。

 

WWE

お手軽感 ★★★★★
爽快感  ★★★★☆
やりこみ ★☆☆☆☆

プロレスゲーム。日本のプロレス文化が消沈気味だがアメリカではまだまだ人気な文化の一つ。興行としてのプロレスを非常に高い再限度でゲームに落とし込んでいる。恐るべきは試合前の入場シーン。まじめに1キャラクター5分かかる。最大8人対戦が可能なので1試合までに30分以上かけることもできる。もちろんスキップ可能だがそれほどこだわって作られている。「テレビで観るプロレス」感が非常に良い。単純な対戦にとどまらず「梯子デスマッチ」「場外乱闘」なども再現可能なので意外と遊べる幅が広い。

 

PSNOWで遊べるPS3のソフトおすすめ

ダークネス2

お手軽感 ★★★★★
爽快感  ★★★★☆
やりこみ ★☆☆☆☆

一人用FPS、銃撃の他にダークネスという蛇型触手を用いて戦う。FPSでしばしば銃撃と近接があれば銃撃一辺倒になりがちだが本作は銃撃のみだとすぐに弾切れを起こすバランス調整になっており、その場での判断力を求められる。射撃も正確性より弾幕を張っていくタイプのつくりなのでエイムに自信がない人でも楽しく遊べる大味なつくり。

 

END OF ETERNITY

お手軽感 ★☆☆☆☆
爽快感  ★★★☆☆
やりこみ ★★★★☆

RPGだが戦闘システムが特殊な作品。攻略もストラテジー的な要素もあり、RPGとしては戦略性が非常に高いため歯ごたえのあるRPGを遊びたい人にはおすすめな作品。

 

OVLIVION

お手軽感 ★★★☆☆
爽快感  ★★☆☆☆
やりこみ ★★★★★

エルダースクロールズシリーズの4作目。オープンワールドRPGで遊びの幅が広い点はフォールアウトシリーズと似ているが剣と魔法の世界であり今だに根強いファンのいる作品。キャラクターメイクも種族から多種多様であり、世界観構築に大事な文化背景、種族によっては差別的な発言をされたりと非常にこまかい点までよく作りこまれたRPG

 

Wizardry

お手軽感 ★☆☆☆☆
爽快感  ★☆☆☆☆
やりこみ ★★★★★

探索型のRPGのパイオニア。難易度が鬼。腰を入れて取り組まないとすぐに全滅する。やればやるほど味の出るスルメのような作品。

 

アンチャーテッド

お手軽感 ★★★★★
爽快感  ★★★★★
やりこみ ★★★☆☆

「遊ぶ映画」と銘打たれた作品。ゲームになったインディジョーンズ。とにかくコンセプトにぶれがなく一貫している。上質。ゲーム体験として迷ったら遊んでおいて損はない。謎解きと探索とアクションのバランスがよくマンネリしそうなタイミングで切り替わってくれるので飽きずに最後まで遊べる。

 

クレイジータクシー

お手軽感 ★★★★★
爽快感  ★★★★☆
やりこみ ★★★★☆

アーケードの名作。タクシードライバーとして街中を激走するだけと非常にシンプル。どこのゲームセンターにも筐体があったくらい。操作感もよく息抜きにぴったりな作品。

 

HOUSE OF THE DEAD

お手軽感 ★★★★★
爽快感  ★★★★★
やりこみ ★★★★☆

こちらもアーケードのコンシューマー移植作品。ガンシューティングのゾンビもの。隠れるという要素がないためひたすら弾幕を張っていくゲーム。疲れるくらい止まることがなく進むので短時間で気分転換したい時にピッタリ。

 

無双OROCHI

お手軽感 ★★★★★
爽快感  ★★★★★
やりこみ ★★★☆☆

「真三國無双」と「戦国無双」が自社内でコラボした作品。PSNOWに無双が数多くあり、どれで遊ぶか迷った際に選ぶのにベスト。Zが無印のPS3リマスターになっているためZ→2の順で遊ぶべし。PS3への転換期であったため無双シリーズの敵兵の数や処理速度など明確に違いがわかる点も面白い。

 

信長の野望

お手軽感 ★★☆☆☆
爽快感  ★★☆☆☆
やりこみ ★★★★☆

名作シミュレーション。信長の野望とあるが日本全国どの大名を選んでも大丈夫。リアルタイムで自身の周辺地域以外も進行していくので政治的な交渉などは緊張感を持って遊べる。腰を据えて遊ばないといけないが時間泥棒なのではまるとあっという間に時間が無くなっていく。

 

 
 
以上が個人的にPSNOWで遊んでよかった作品の一部でした。
これ以外にもまだまだ面白い作品が眠っているので気になった方はぜひぜひ。
 
 

 
 

劇場版サイコパス3 『PSYCHO-PASS サイコパス3 FIRST INSPECTOR』

一時間枠のテレビシリーズとして全8話を放映。
六合塚弥生が交通事故に遭遇、横に佇む梓澤廣一という様から襲撃を示唆してフェードアウトという衝撃の最終回から視聴者には続編が待ち遠しい状況となっていたサイコパス3。

遂に待望の劇場版『PHYCO-PASS3 FIRST INSPECTOR』(以下、「本作」)が公開。

待っていた人も多い一方で世間ではコロナウイルスの蔓延によって外出自粛が要請されていますが、無理をして映画を見に行かないでもAmazonprimeで同時に公開もされているので自宅で視聴して安全に行きましょう。

(というより映画館が全国的にも休館にしているので見る手段がAmazonprime限定になっている…)

Amazonprimeでは本作を全3篇に分けており、ダウンロードも可能なのでスマホにDLして通勤時間などに見ることもできますよ。 

 
 
本作、個人的にはアクションシーンに比重を置いていたり、広げた風呂敷を畳もうとしていたのがよくわかる内容でした。
なぞはいくつか残っているので感想、ネタバレ交えながら書き綴ります。
 

あらすじ

本作は、アニメシリーズ最終回直後からスタート。

梓澤は六合塚を事故に見せかけて襲撃、梓澤の手に握られていたのは六合塚の持っていた公安局の入館証。

公安局に入館した梓澤は公安局に入り込み外部との接触連絡を遮断、パスファインダーを呼び込み、拘留されていた小畑や他の囚人を開放し捜査官や監視官を刈るゲームを始める。公安局内には東京都知事がおり、梓澤は「都知事が辞任をすれば公安局を開放する」と言い放つ。

 

 

 

 

 

 

感想・解説

 

 

 

ネタバレにもなるので注意

 

 

 

スピード感溢れる展開

サイコパス3はテレビシリーズから主人公が元軍人、パルクールを嗜むなどアクションシーンが豊富だった。

劇場版も例にもれず、開始直後から公安局がジャックされ、アニメシリーズでも存在感を残したまま謎が多く残されていたパスファインダーの二名は梓澤が手招きをして公安局内部に侵入。
捜査の為に拘留されていたハッカーの小畑も梓澤の手引きによって解放。他にも拘留された潜在犯を開放し瞬く間に公安局を混沌の場に仕立て上げる。

開始10分ほどでシリーズでも最大規模の窮地が作り上げられ梓澤の天才的な手際の良さが示されるとともに以降の展開に期待させられる。

梓澤によるゲームが開始されてからは公安局、外務省入り乱れての乱戦が始まる。

それぞれ5分ほどだが各メンバーの見せ場が設けられており、いずれも各キャラクターの特徴を際立たせた立ち回りが展開される。

公安局刑事課一課のみならず外務省、果ては霜月にも見せ場が設けられていたのは驚きだった。

狡噛に至ってはパスファインダーを追いかけるシーンで
「待て死にぞこない!!」
と暴言を投げかけるなど、短いシーンの中で素が見られる姿などキャラクターの見せ方がうまいと唸らされた。(というより狡噛がキレるのが唐突で少し笑えた)

 

梓澤廣一という男からみるシビュラシステム

梓澤の目的はテレビシリーズで明らかにならなかったが本作では序盤から目的を匂わす発言をかます

本人も気づかずハイテンションになっているのかやたらと饒舌。
きっとご機嫌なんだろう。

梓澤は展開したゲームについて
「ただ人が真にシビュラ的か試しているだけ」
と語る。
本作において梓澤が仕掛けるゲームはすべて、選択によって結果が異なる。
生存して色相が曇る死亡するその二者択一である。まるで神の真似事をするかのように。

そして終盤で梓澤の目的がシビュラシステムの一部となることが語られる。
シビュラを神と崇めた男はシビュラの一部となるべくゲームを展開していたことが判明する。

しかしシビュラシステムはそれを拒絶する。
理由は明快で梓澤は免罪体質ではないためだ。
テレビシリーズでは梓澤は周囲から人間ではないと評され免罪体質と思わせる描写がミスリードであったこともここにきて判明する。

(シビュラが梓澤を拒絶するシーンは完璧を気取っていた梓澤が狼狽するのも頷けるほど悲惨なのでぜひ見てほしい。)

劇中、「この社会がゲームじゃないかい?シビュラシステムという絶対のルールで行われる。それを理解できないやつが負けるのは仕方ないことだ。」
といった発言からも心底シビュラに惚れ込んでいたことが描かれた末に免罪体質ではないというだけですべてを砕かれる。

ではシビュラの言う免罪体質とはどのような素養なのか。

異常性という点では常守や慎導のほうがおおよそ社会的でありも模範的にすら見える。

シビュラの言葉から免罪体質は
「一般倫理に囚われない特徴的視野を持つ者のみ」
と言われる。

シビュラの言う免罪体質者とはあくまでも一般倫理=集合知であるシビュラの尺度で測定することのできない人間を指している。
シビュラになることを望んだ人間=既存の倫理観に迎合することのできる良き市民はシビュラシステムの進化にとって迎え入れる必要のない人間である。

人間の価値を個人の選択にあると問うた槙島

集合体は個人として認識が可能なのかを問うた鹿矛囲

いずれもシビュラシステムの範疇では測れないために疑問を提訴した人物であり常守や慎導も同様にシビュラシステムについて幾度も疑問を投げかける、相対的な尺度で測ることのできない絶対的な倫理観を持っていることが描かれている。

梓澤はあくまでもシビュラの敷いたルールのうえでしか物事を語れない人間であったためシビュラに拒絶されてしまった。
梓澤の持っていた異常性はあくまでも人に判断を委ねていた結果が異常に見えただけであり、本質は自身で独自の倫理観を持っていないため免罪体質とは決定的に異なっていた。

免罪体質者はいずれも望んで免罪体質者ではない。
免罪体質者であろうとするものほどそうなることはできないシステムになっていることが本作によって決定づけられた。

 

シビュラシステムの在り方とビフロスト

シビュラシステムは現実世界に例えるなら司法権を持った軍隊である。
軍隊が指揮命令を待たずして独自の判断において刑罰を執行できる。

だからこそシビュラシステムは間違った判断を下さないように常にアップデート免罪体質者の取り込みを行うことでその秩序を保っている。

しかし、1期にて狡噛が禾生局長に処分されそうになったシーンではシビュラによって害になると判断されたことが理由の一つである。

だがこの行動はシビュラが自身の益を守るためであり(狡噛が処分されそうになったのは取り込もうとしている槙島を殺害しようとしたため)
公平な判断を下すことが目的としたシステムにはそぐわない。

本作ではシビュラは同様に梓澤を処分しようと(シビュラの真相を知ったことから口外される恐れがあるため)計測されたサイコパス以上の刑罰を処そうとする。
公平であるシステムが独善的に執務することに矛盾があることを慎導から指摘されることでシビュラはそれまでの独善的な処分行為を自身で律することとなる。

これこそが本作において過去作品も跨いだ大きな伏線の回収である。

また、本作の事件が終息した際に常守とシビュラの会話にて「システムを一般公開する際~」とあったがこれは

シビュラの恣意的な判決をなしと決断したことによって測定値に準じた刑罰を絶対とすることを定めた。
これにより秘密を知ったまま生き延びた梓澤が生きることが確約。
シビュラは実質的に秘密の漏洩前に自らを公表せざるをえないことになってしまう。

このロジックはシリーズを通して追っている人にしか伝わらない描き方であり見返して理解に至ることができた。見事というほかない落とし方であった。

ビフロスト(ラウンドロビン)に関しても、デバック(バグを見つけ修正すること)を行うことが目的であり、「シビュラに認知されない異常=犯罪係数の上昇しない犯罪」がビフロストの秘密であり目的であり手段であった。

ラウンドロビンもシビュラが自信を律することが可能になったことで不要となった。

慎導によりシビュラが自信を律することができたからこそ法斑が処分されずに済んだのであることを考えるとよく練りこまれたシナリオであった。

 

総評

シナリオやテーマにおいては三作目にあって新しい試みが大きいことや長びいたことで広まった風呂敷を畳み切れていないなどの不満点はあったが、過去作との相関性という部分では拾い切れていない部分を捨てずに消化したことに大きな意味がある作品であった。

伏線は多々残っているため

  • 常守が拘留された理由
  • 法斑の背景
  • イグナトフ兄に起こった事件

他にも細かいところを見ていけばキリがないがこれだけでも単発のスピンオフが作れるほど想像の余地があるだろう。

今後のシリーズの前に一度区切りが欲しいと思う方もいるだろうが本作のように長期的に疑問が消化されるのであれば長く続くというのも悪くないと思える作品だった。

少年スポーツ漫画の新しい形『ブルーロック』

最近、少年マガジンで注目している漫画がある。
『ブルーロック』
連載開始当初から売れるかなと少しだけ予想はしていたがあれよあれよという間に既刊8巻で100万部突破。

表紙などから想像できる通りサッカーの漫画だが、飽和しているサッカー漫画市場(一部少年誌では地雷とまで言われる)でどのような部分が評価されて売れているのか蓋を開けてみたい。

異質なスポーツ漫画ー

スポーツ漫画は有名な過去の作品から今に至るまで少年誌、青年誌、掲載媒体を問わずに幅広く展開されている。特段サッカー漫画においては日本における競技人口からも触れた人が多く題材として読者に興味や共感を抱かせることから定期的に目に触れるジャンルの一つではある。

多く目に留まる題材では必ずと言っていいほど他作品との差別化が重要になる。過去にヒットした漫画からも明らかだ。不良集団が野球をしたり、エース級の選手が無名校で部活を立ち上げたりと今やテンプレートな設定も必ず出自がある。
(赤髪の男がバスケットボールする漫画はあの画力で週刊連載を行い、話の構成もずば抜けているので例外というより反則だと思う。)
そうしたテンプレートが出し尽くされたといっても過言ではないサッカー漫画市場、また奇をてらった作品を作ろうにも「ボールは友達」な主人公が存在する漫画のおかげで二番煎じと言われ、すべてが霞む可能性が高すぎるリスクすら内包しているサッカー漫画市場。
そこにおいてブルーロックは異質を放っている。

鉄板の設定と原作

『ブルーロック』の設定は、「ブルーロック(通称:青い監獄)」において300人のFW(サッカーにおいてゴールが目的の得点役)がたった5人になるまで鎬を削るという単純明快な図になっている。

そして原作は金城宗幸、『神さまの言うとおり』を手掛けた原作者だ。
前作『神さまの言うとおり』も明快なサバイバルシチュエーション。得意とするフィールドをサッカー漫画で作り出したのだ。

サッカー漫画でサバイバル、正直今までも同じようなものはいくつかあった。
「この中から一握りだけがプロに~」、「この中で勝ち残るのは1チーム~」

だが、いずれもサッカー漫画という題材においては同じポジションを争いあうのは数名であったり、いずれも敗北した後は良きライバルとして、良き応援者として作品中に介在することが確約される。

『ブルーロック』においては全員が同ポジション、脱落者については既刊現在で全く触れられず「この先一生日本代表に入る権利を失う」とまで言われる。実に不条理だが生き残った者が最高のFWになる素質を備えていることが明確化される実にシンプルな構成になっている。

この設定だが当然「サッカーっていろんなポジションあるけど成立するの?」「FWだけで選抜って何をするの?」という疑問に繋がり次へ読み進める手が止まらなくなる。

スポーツ漫画の王道構成

スポーツ漫画においては話の構成がある程度決まっている

練習→試合→課題→練習→試合…

練習をこなした成果を試合で披露する、試合の結果に関らずすかさず試合に移る。その中で友情、努力、勝利など様々な人間ドラマが展開される。
スポーツ漫画が飽和している現代少年漫画においては読者の肥えた舌に応えることが人気作品となる一つの必要要素だと考えているが、王道の展開を行うことは必ず上記の構成に入り込むことになる。

目にしたことがある光景は良く言えば王道、悪く言えば二番煎じ、飽きをもたらす。
飽きに対してどのような魅せ方をするかが問われる。

『ブルーロック』はとにかく試合を行う。試合に次ぐ試合。試合が終わったと思えば試合が始まる。また、練習の描写は試合前のアップ程度。練習での気づきが試合に生きるという展開はあくまで切り捨てる。特に主人公の潔世一においてはそこそこ優秀なFWとして描かれる。当然周囲の優秀なFWをみて差を痛感させられる。敗北をこれでもかと味合わされ触発される。そこから新たな着想を得て進化していくというのが基本的な路線となっている。中だるみの可能性が高い練習パートからの脱却、スリルに当てられる試合パートにおいて練習をこなす。練習を省くことで作品にテンポをもたらす。

また、作品中8割程度は
各キャラクターのゴールシーン=FWの見せ場
となっているため作品への流入が容易い。この構成が多くの読者を引き込むことを可能にしている。

 サッカーの原点回帰

集団スポーツを行う上で欠かせないポジション(役割)の概念。特にサッカーなど時間が常に動くオンタイムかつフィールドが広いスポーツにおいては役割を分担することが時代の流れとともに当たり前のものとなっていった。青い監獄では全員がFWであるため「試合が成り立つのか?」という疑問が先に立つが作品の序盤で描かれる。

作中通しての一次セレクションでは、5チームでのリーグ戦を行い上位二チーム以外は脱落。脱落チーム以外の中でも最多得点者は次の選抜に残るというルールのもと試合が行われる。

当然、チームの勝利よりはもちろんだがそれぞれが最多得点者になるべくボールを取り合う、サッカーとは呼ぶのも憚られるお団子サッカーが展開される。

だがこの試合において最初に得点した者を周囲が認めることでボールが集中し暗黙の了解でチームが形成される。

作中、絵心(青い監獄の発案者)は一人の選手によりDFシステムが創造されそれを破るために新しい戦術が生まれると語る。スポーツの歴史を紐解いても明らかであるが、頭の中に出来上がってしまった固定観念は戦術という言葉で一人の個の能力を抑制してしまっていた。漫画においては自然と読み手も書き手もチームプレーの大義名分のもとに個を抑圧してしまうことに慣れていたことに気づかされる。

『ブルーロック』では個が出ること、(作中では自意識‐エゴ-)が求められる。個の突出はそのままキャラクターに魅力をもたらし見せ場を作る。挑戦からの成功のテンポの良さがキャラクターの個性を次から次へと引き出していく。

サバイバルと少年漫画の両立

作品通して個性と才能にスポットが当てられがちだが王道の少年漫画らしい熱さも捨ててはいない。作品中では敗北にも明確に焦点が当てられている。サバイバル物として脱落というスリルがある一方で、敗北したものにも復帰のチャンスが見せ場として残されている。

一次選考ではチーム得点王が次の選考に残されたり、本誌で盛り上がっている二次選考(既刊6巻~)では2~4人組で勝利したチームが相手チームより引き抜きを行い5人組になるまで試合を繰り返すライバルリーバトルが展開されている。

いずれも一度の敗北を喫してもそれを認めることが許されている。敗北から立ち直るという少年漫画的なレールも用意されている。作中でスポットを浴びるシーンもほとんどが挫折から自分を認めて脱却を図るプロセスから成り立っている。

サバイバルものというキャラクターを使い捨てることを余儀なくされる設定だがその隅には必ず立ち直ることのできるチャンスが用意されている。作中のルール作りはロジカルに成り立っていることがわかる。

 

 

 

既刊8巻にして100万部、売り上げがすべてとは思わないが、これだけ評価されるに値する作品ということは自信を持って言える。
将来的にどのような方向にかじ取りをするのかは不明だが個性の突出からなる魅力づくりにおける熱は冷めないでほしい。

龍が如く7 が面白すぎて時間泥棒だから全力でプレイレポ投げました

龍が如く7


龍が如く7 光と闇の行方

買いました? 

え?買ってない!?!?

 

シリーズ追ってるあなたにも、シリーズ初めてなあなたにもおすすめしたい出来だったんですよ〜。

 

以前、You Tubeで制作陣が発売前配信を行っていて「過去作品含めて一番面白い」と仰っていましたが期待通りの素敵な作品だったことは大きな声で言いたい。

いや、本当に。

 

私も発売から2日後に購入しましたが、あれよあれよという間にやりこんで50時間ほど?プレイ。

過去作品は3と5以外は遊んでるが、私自身も過去最高傑作じゃないかと。

 

というわけで個人的に満足度高い本作を批評していきます!

 

変化球と見せかけた正統進化

龍が如く7は過去作から大幅な変更を受けてるというのは周知の事実。

大きな部分だけあげても、

  • 「過去6作品(正確には7+3作品)続いた主人公の降板」
  • 「アクションからRPGへ」

やはり会社の顔とも言えるソフトになると長期化したシリーズ特有のダレた雰囲気やマンネリ感は課題になってしまうのが自明の理だろう。

そうした対策としてしばしば大幅な路線変更は致し方のないテコ入れだろう…

《もちろん上手く行けば》

の話だろう。

今作も大きな衝撃とともに歴代ファンには大きな不安が走った。

 

その後リリースされた体験版を遊んだ印象も「流れを汲んだ別作品かぁ。」

くらいの感想しか抱けなかったが本作は遊べば遊ぶほど感心するほど歴代をブラッシュアップした作品であった。

 

一つずつ紐解いていこう。

徹底的なリアリティの追求

  • 主人公の交代

龍が如くといえば他作品でも顔を見せることもある桐生一馬が主人公であった。

言うなれば本作の顔そのものであった。

人物も非常に魅力的で

無骨な印象とは裏腹に暖かい(友達を庇って殺人犯として服役してしまう)

面倒見が良い(しばしば誘拐された知人を助けに敵地に単身乗り込む。友人ではなく知り合ったばかりのレベルでもヤクザ事務所まで助けに行く)

喧嘩が強い(単身で敵対組織を壊滅させる)

人情に厚い(筋が通らなければ所属していた組織も半壊させる

女性に優しい(薬を盛られて財布抜かれても叩かない)

子どもにも優しい(孤児院経営しちゃう)

好奇心旺盛(会社経営したり子どもの遊びに混ざったりする)

不死身(刺されても撃たれてもご飯食べれば回復する)

といった具合にハードボイルドが服着て歩いている、老若男女問わずかっこいいカテゴリに入れるだろう人物である。これでも魅力の100分の1程度だ。

ところが龍が如く7では

モサッとした眉毛

ツイストパーマのもじゃもじゃ

日本人らしい顔立ち

といったメインビジュアルのキャラクター

『春日一番』が主人公に据えられた。

この男、春日一番だがバックボーンなど設定は非常に桐生一馬と似ている。

人の罪を被り服役

生い立ちが捨て子

こうした類似点から当初はどこまで桐生一馬に近づけるかといった見方をしてしまう。実際に最初の一時間程度はプレイしていても過去作品で見たような雰囲気でマンネリを感じた。

だがすぐにこの見方が間違いであったことをわからされる。

この男、春日一番だが基本的な性格として人と接する際に臆さない。

本編中、意識不明でホームレスに助けられる場面から本格的にストーリーが動いていくのだが、助けられたホームレスに対して皆事情がるあから詮索禁止と釘を刺されるのだが、舌も乾かぬうちに「こんな暮らし脱却しようぜ!ハローワークで仕事さがそう!」といったニュアンスの発言をする。

悪く言えば無粋だが、良く言えば主体的。

桐生一馬との対比においてこの点が大きくことなる。

桐生は言うなれば巻き込まれ型。他者には大きく関与しようとはしないが目の前で事が起きれば仕方無しに巻き込まれいつしか中心になるカリスマ的な魅力がある。

一方の春日一番は何においても自分発信。人の心の扉をノックしまくる。数あるサブイベントも基本的には自ら話しかけることで展開していく。カリスマ0である。

 

龍が如くを語るうえで欠かせないのがリアリティである。

龍が如くは実在の街をゲームに落とし込んだことで話題を生んだ。

初代龍が如くではゲーム内の商業施設としてドン・キホーテが存在した。

本作品の評価にあたってはゲームといえどどこまで『ありそう』なシチュエーションをつくるかが命題と考えている。

 

話は戻って春日一番だが自主的に話を展開させる様子、これはゲームではない実生活、リアルでも同じではないだろうか。

自ら行動することで他人の心の扉を開いてもらう。

この基本コンセプトが創作物についてまわる、ご都合感、リアリティとの乖離をなくすために仕事をしている。

 

以前までの龍が如くではストーリーと違う位置づけのサブイベントでは

「この場所に行ったらどんなトラブルに巻き込まれるのだろう?」

といった気持ちでイベントをこなさければならなかった。

だが能動的に動けるキャラクターを新たに据えただけで以前の行動軸に加えて

「トラブルに対してどんなアプローチを起こすんだろう?」

といった体験が加わった。

 

また、自らが能動的に動くことによってゲームに不可欠な『お使い』としてのイベントも嫌味がない。付き合わされている気持ちにならない。

 

これは桐生一馬では絶対にあり得なかった。

(作品によって毛色は違うが)桐生一馬はかっこよさとストーリーの重厚さで巧妙に覆っているが俗に言うヤレヤレ系である。

 

また、このアプローチは同行する仲間にも及ぶ。

上述したように春日一番は仲間にも熱く接する。

春日一番に対して様々な思惑から接してくるキャラクター達、だがそれに対しても自ら相手の背景を聞く。徹底的に聞く。無粋と言われようとも。実際に何度も何度も無粋と言われるし、「言わなくていいのに」とまで言われることもある。

 

『人と人は絶対に腹の底まで推し量ることはできない。』

当たり前のことだろう。だが、対話をすればそんなことは解決できることを教えてくれる。大人が当たり前のようにしていることに対して、「それは少し違うのでは?」と、これでもかとベストアンサーを明確に突きつけてくる。

言ってしまえば春日一番はそれしかできない。

料理もできない。

航海もできない。

嘘もつけない。

まるで某ゴムの人である。

 

たったこれだけの要素で深い人間性を落とし込む龍が如くチームには脱帽だ。

 

また、仲間との絆が深まるにつれて様々な面が見える。

相手へ質問を行うからこそ相手の素性が見える。覗き見ているのではなく、共有認識を持って相対することができる。

マフィアのボスが料理が上手なこと、教習所で勤務している警察官が道路交通法に詳しくないこと、キャバ嬢が妹と上手くいっていないこと。

全てが聞くことから、自分発信で始まるため、キャラクターとのギャップが埋まる。

RPGといえば『なりきる』か『誰かの人生の追体験』になることは有名どころの作品を見ても明らかだ。

だが、龍が如くは全てを諦めずに拾う。

現代ゲームをオマージュしながらもそのどれとも違う路線を走る。非常に明快で気持ちの良いゲーム体験を与えてくれる。

 

  • 過去作からのブラッシュアップ

今作はRPGとして仲間と共に行動することが常となった。

そのため過去作で存在していたミニゲーム等が一部見直しとなった。

大きく変化したものとしてはキャバクラの存在が筆頭だ。

以前はキャバクラで桐生が女の子を口説くことをミニゲームとして取り入れていた。(上手に口説くとアフターでホテルに突入しセクシー女優のPVが流れる)

しかし今作はキャバクラにもグループで行くため遊びとしての部分はなりを潜めた。だが単純に削除するのではなく、グループで訪れ飲食をする場として変貌を遂げた。遊びの部分ではボリューム削減だが、男がグループでキャバクラに訪れるデモなどは思わず笑ってしまう。

また、店頭での飲食は今作も顕在している。以前までは桐生が一人で各地の飲食店にて舌鼓をうちコメントを一言入れる淡白なものであったが、今作では特定の料理を注文するとイベントが発生する仕様になっている。以前までは飲食をすることがゲーム内での目的達成のための手段としての側面が強かったため体力回復だけに目的を絞った場合にはコンビニ飯を食らい続ける桐生さんが出来上がっていた。

今作ではイベントを見るためにという名目もできるため、一つの場所で遊びの幅が広がった。

削除ではなく既存のものを昇華させるつくり、こちらも妙技だ。

また、今作は取得できるお金が以前よりもかなり少なく調整されている。以前まではカツアゲに来る不良をなぎ倒すとすぐに10万円ほど貯まってしまっていたが、今作では意図的に金策をしなければ貯金することが難しい。そのため、コンビニで安価なものを用意したり、強敵との戦いの前には高価なアイテムを購入する必要があったりと買い物一つとっても以前のように栄養ドリンクだけを買い込むだけにとどまらなくなった。

 

他にも過去作品で定番であった要素は大きく変化が加えられているがいずれも全てが過去作品をないがしろにすることがなく真新しさを取り入れている。

 

個人的には街中で現れるパーティチャット(テイルズシリーズでいうところのスキットのようなもの)も探索の楽しみにつながっている。

こちらは恐らく過去作品で存在した会話イベントが好評だったことからテンポの良い会話を行うための配慮と思われる。

以前まではサブイベントとして行われていた流れの早い掛け合いが存在したが、サブイベントであるため一見で終わってしまい、見返すのが難しく貴重なものであった。今作では特定の場所で会話のリピートも可能なため何度も聞き返せる。また会話の数も各所で頻繁にあるためとにかく明るく探索を行える。

ゲームにおいて没頭といえば『何かないかな』となってしまうことがしばしばだが、明るい気持ちで『ここでは何がおきるかな』と次に向かって没頭できる作品は昨今でも稀有だろう。

 

  • RPGとしてのアプローチ

今作はRPGになったことで戦闘面も大幅に変化した。以前はアクションであり、派手なアクションから爽快感を得るものであった。もちろん過去作品と比較してしまえば需要に見合わないため低評価をつけざるを得ない方もいるだろう。

だがゲーム単体でみると非常に完成度が高い。

ベースとしてはオンタイムではないため、『喧嘩』というアクションに見合わないと思われていたが、各キャラクターがそれぞれ別個で動き回るため戦闘面で寂しさを感じない。敵が吹き飛ばされてダウンすれば自動で追撃を行うためリアリティの追及も行えている。多対一の状況になればパーティに敵NPCがタコ殴りにされる悲惨な様子も笑えてくる。

また、キャラクターそれぞれに振れ幅を持たせるため職業選択システムを導入しているあたりはRPGの定番を踏襲しているが職業選択の場がハローワークというのがまた龍が如くらしいリアリティ追及の形である。

戦闘面のバランスなどはコアなRPGプレイヤーからすれば物足りなさを覚える調整であるが、決して簡単すぎず、なおかつ好きな職業で楽しめるバランスが取れてるのは龍が如くの狙う層にはぴったりな難易度調整であるだろう。

従来通り必殺技も痛みを間近に感じられるものからおバカな技まで多種多様である。

皆さんもぜひ厳つい強敵たちがおバカな技の餌食になる様を見てほしい。

  • ダウン後に股間を踏みつけられる
  • 巨大な卸摺り鉦に押し付けられる
  • 臭い息を吹きかけられる
  • 魔法と称してアルコールを口から吹きかけ火をつける

さすがに笑いをこらえるほうが難しい(笑)

 

総評

大きな変化を見せた今作品であったが、いずれの部分においても過去作品から洗練された進化を遂げた作品である。またゲーム単体で見ても近代RPGとして非常に新しいコンセプトが散りばめられていて驚きの連続である。

新たに龍が如くに触れようか迷っている方やアクションが苦手でしり込みしていた方、ゲームに興味がない方や過去作品から常に追っかけていたがコンセプトから迷っている方など、全てのユーザーに対して新しい試みをぶつけながらも全てを包括するだけの器を持っている作品であった。

今作品を超えてくるRPGが今年出てくるのか非常に楽しみである。

迷っているならば是非とも買い一択であることは伝えておきたい。


龍が如く7 光と闇の行方

 

 

 

 

 

 

 

 

セブンカフェが売れた理由について考えてみる。

セブンカフェ

 

言わずもがな、セブンイレブンにおいてあるコーヒーマシン。

 

安くて美味しいコーヒーが手軽に飲めるってことで大人気。いまや飲んだことないって人のほうが少ないんじゃないかって大ヒット商品。

 

売れる商品には理由があるわけで少し調べたけれ、調べても調べてもインターネットに掲載されているのは、「美味しさ」、「価格」についてのみ。

 

そうなんだけれども、味と価格ならコンビニに既に置いてある他社商品で良くないって話になってきて、売れた理由にはやや弱い。

 

じゃあ根幹的な理由にはなにがあるのか。

もちろんいくつかの要素が混ざり合って大ヒットを記録したのは間違いないけれど最大の理由はパッケージングにあると思う。

 

 

コンビニコーヒー

 

これ10年前の時点で『コンビニコーヒー』について想像すると恐らく『缶コーヒー』が出てくるんですよ。

 

では『缶コーヒー買う人ってどんな人?』

 

 

TVCMを想像してください。

 

 

今あなたが想像したのは『山田孝之』か『トミーリージョーンズ』ではないでしょうか?

 

 

これがメンタリズムです。

 

 

冗談はおいといて、缶コーヒーってターゲットが男性、ビジネスパーソンなんですよね。明らかに女性はターゲットに入っていない。

缶コーヒーのパッケージを見れば明らか。ちょっと女性が持つには堅苦しくて可憐さとは程遠い武骨さ。

 

この武骨さに対して、喫茶店チェーンよろしくでカップでのパッケージングを用いた。コンビニコーヒーの従来の購買層に対して新たな顧客開拓を行ったわけ。

 

 

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しかもそこにきて喫茶店チェーンに対して明確な価格差をつけてアプローチ。『一杯300円程度の単価』、『商品提供の待ち時間』、『店舗数の少なさ』こうした制約を持った喫茶店チェーンに対して『安い』『早い』『店舗数の多さ』と逆サイドからの切り崩し。そりゃ買いに走るよお客様。

 

 

尚且つ、喫茶店チェーンに気軽に赴けない層にもこのパッケージングを提供したのが大きい。

 

運送屋さんあたりが代表的。

 

田舎の喫茶店チェーンに行ったことある人はわかるけれど、駐車場が用意されていてもトラックなど大型車両が駐車することは難しいケースがほとんど。

 

対して田舎のコンビニ、トラック停められるんですよね。

 

尚且つ、このパッケージは片手で飲む行為が容易に行える。

コンビニ缶コーヒーは車運転しながら飲みたければ蓋付きのものを購入して、蓋を開け閉めして飲まなければならなかった。

実際にやったことある人はわかるけれど二つのことを同時に行うわけだからやたら難しい。

しかもこぼしたらゲームオーバー。

停まって飲めよって思うじゃん?長距離ドライバーは高速道路を利用するんです。

しかも缶コーヒーって購入直後は熱いんですよね。下手したら持ち手が火傷します。

 

こういった問題に対しても片手でステアリングを握ったまま片手でコーヒーを飲むことが可能になるって価値の提供。

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(夏もストローで問題なし)

 

これってテイクアウトコーヒーのちょっとした革命じゃん?

 

 

かわいくて安くて味も遜色ないコーヒーを便利な形で提供。

 

そりゃ売れますって。

 

企画開発した人達は天才だよ。ありがとうセブンカフェ。

 

明日は皆、コンビニコーヒー買って感謝しながら飲んでください。

 

 

 

 

 

 



 

UNIQLOがまたまたえげつないものを作ってしまった話

UNIQLOが今冬えげつない商品を出してきた。

 

『ハイブリッドダウンパーカ』

 

厚みのないダウンジャケットや発熱インナーのヒートテックなど化学繊維を得意とするUNIQLOが出す、新作ダウンジャケット。

 

公式曰く、プロスノーボーダー平野歩夢選手のゲームウェアに着想を得て開発された製品とのこと。

 

これ本当にすごいんです。

 

ダウンジャケットって基本的にダウンってふわふわの温かい高級な毛とフェザーって翼に生えているような芯のある安いけど温かみの弱い毛が混ぜられて作られているんです。

例えで出すならファストブランドが出してる1万円以下の安いダウンジャケットは

(ダウン)5:5(フェザー)

すこしまともな2万円くらうのもので8:2とか

 

そしてこのハイブリッドダウンパーカ…

9:1

なんです。

しかもお値段8000円ほど

一万円切るのにこの割合はすごい。

 

で、ここからがとんでもないところで、この価格を実現するのにどんな工夫をしたのかって部分

 

このダウンジャケットの作りなんですが、袖の部分にはダウン入ってないんです。

袖の部分には発熱素材が入れられているんです。

こうして袖で節約をすることで胴体部分に9:1の比率を持ってくる。

更にさらに、袖からモコモコダウンを抜くことで袖周りがとってもすっきり。

シルエットがまあーーーーーキレイ!

 

温かさを取るのか、かっこよさをとるのか

 

どちらかだよってお決まりだったものに新しい提案をしたこの商品考えた人は本物の天才ですよ。

 

そして極めつけは軽い。

 

持って感じるのはあまりのふわふわ感。

ウルトラライトダウンと遜色ないレベルに軽い。

 

もうねここまでの商品1万円以下で買えるなんで本当に頭があがらないです。

 

 

 

 

で、ここからがとっても大事な話なんだけど。

良いことばかり話したけど肝心の私はまだ買ってないんです \チャンチャン/